2022年08月28日

RC/SRC/Sの一貫計算プログラムに木造が加わる

木造ビル建築普及するとRC/SRC/Sの一貫計算プログラムに木造が加わる。
木造の応力解析は鉄骨造と似たようなもので、下層階はRCにすることが多いので、RC/SRC/S/Wの一貫計算プログラムの需要はあるだろう。
posted by TASS設計室 at 05:21| コンピュータ

2022年08月27日

基礎・杭・地盤

どうしても上部構造に目が向いてしまい、基礎・杭・地盤に関する設計を苦手とする設計者が多い。
建物を設計すれば必ず基礎の設計を行う。敷地内の地盤は一様ではなく、杭基礎と直接基礎を併用することもある。

posted by TASS設計室 at 21:15| 構造設計

軽量鉄骨造の耐震診断

定期的に軽量鉄骨造の耐震診断の依頼がある。
メーカー製の軽量鉄骨造は防錆処理が良いため、建物の劣化が少ない。工業化住宅の耐震診断は独特の基準があり、その基準に従って結果のまとめを行い、q値のみで判定する。
posted by TASS設計室 at 12:36| 耐震診断

改修工事では元の設計を理解する

改修工事では、図面と現場を見て元の設計を理解する。
変わったことに出合うと思考停止になるのではなく、その意図を理解した上で手直しを考える。
決まりきった方法はなく、全てが応用問題である。どのように理解し、どのように判断したかを文章で示すと分かりやすい。筋道を立てて書いてみると良いだろう。それを設計方針という。
posted by TASS設計室 at 00:35| 構造設計

壁量計算・N値法・4分割法・スパン表

コンピュータが行き渡っているいるのに、木造2階建ての許容応力度計算が普及しない。
壁量計算・N値法・4分割法・スパン表という仕様規定で設計するくらいなら、許容応力度計算を行ってしまえば良いと思うが、なぜ普及しないのだろう。
4号建築の伏図を作成することのできない意匠設計者が多く、プレカット屋に丸投げである。プレカット屋は壁量計算と金物の選定は行わない。基礎の設計は基礎屋に丸投げである。
本来は意匠設計者が、この程度の設計は自分で行うことを前提として簡易な方法が考えられたのではないか。
木造住宅専業の意匠設計の仕事って何ですか。
posted by TASS設計室 at 00:07| 木造の構造計算

2022年08月26日

木造3階ルート1と鉄骨造3階ルート1-1

木造3階ルート1は面積の上限が無いが、鉄骨造3階ルート1-1は500uという限界がある。
しかも鉄骨造のルート1-1とルート1-2は標準せん断力係数0.3で計算しなければならない。木造のルート1の標準せん断力係数は0.2である。
不公平だと思いませんか。

posted by TASS設計室 at 19:04| 構造設計

ルート1とルート3

壁量があればRC造やWRC造はルート1が成り立つ。
鉄骨造はルート1-1あるいはルート1-2が成り立ってもルート3にすると柱断面が1段階小さくなる。
ルート2の計算は、2x4工法3階建てで軒高9mを超えた時に採用したくらいで、ルート2の計算は採用していない。ルート2の審査ができる審査機関が多数あるので、適判を避けてルート2で計算するのも良いかもしれない。剛性率は何とかなっても、偏心率を0.15以内にすることができるかどうかである。
小細工すると数字の遊びになってしまう。鉄骨造で鉛直ブレースをアングルと丸鋼を組合わせて偏心率0.15以下にできたものもある。これなら標準せん断力係数0.2で計算できる。
こう考えてみると、鉄骨造のルート1は、厳しすぎるのではないかと思う。一次設計で立体解析で応力計算を行い、ねじれ補正を行うので、二重に安全をみているのではないか。
木造と鉄骨造のルート1の計算条件として、軒高9m、最高高さ13mが見直され、高さ16mになるらしい。
2x4工法では階高3.5mという制限が有るような無いような、WRC造と関係ありそうだ。
壁耐力で言うと、2x4工法では長さ60cmの壁を耐力壁とすることができるが、せん断耐力と曲げ耐力を比較し、両者の低いほうを壁の耐力にするほうが適切と考えている。
WRC造にある隣接する開口高さの0.3倍という制限は、2x4工法には無い。

posted by TASS設計室 at 17:00| 構造設計

平面的な斜め軸の耐力壁、他

立体解析プログラムなら、ラーメンでも壁式でも平面的な斜め軸の耐力は、X方向にもY方向にも考慮される。
ところが、平面骨組のプログラムでは、直交座標で配置した耐力壁の方向のみ耐力壁となる。だから昔のプログラムは、軸の傾斜を15°以内は直交座標とみなすとして計算していた。
「2x4壁式」で平面的に45°方向の壁の計算を行う際に悩む。何とか両方向に効かせたい。同一直線上の壁でも、途中までをX方向の壁、途中からY方向の壁としてデータをつくり、壁倍率で調整して等価な壁とし、引抜金物の計算結果を補正する。

SS-7で木造ラーメンの計算ができることを知った。データ入力はSS-7、BUS-6などのプログラムを使い、部材の断面算定を木材として行うことで、木造の高層建築の計算ができる。
SS-7やBUS-6はデータ作成用と思えばよい。BUS-6のデータをFAP-3で読み込み、MED-3で断面算定を行うようなものである。
断面をマルチスプリングに置き換えて計算するのだから、鉄と木の組合せも可能なことは理解できる。SRCのRCの代わりに木を組合わせる。そこまで出来ても、仕口部分の計算が難しい。バネに置き換えて計算することになる。鉄骨の柱脚のバネと同じ要領である。
コンクリートは流し込めば一体化できるが、木材はそんなことができない。粗骨材に木を用いたら、どんなことになるだろう。浮いてきちゃうかな。

posted by TASS設計室 at 11:32| 構造設計

旧式のプログラムは捨てがたい

旧式のプログラムには捨て難いものがある。
応力計算が平均せん断力法の「壁麻呂」が基本で、電卓で数値を追いやすい。
その延長線上に「2x4壁式」がある。「2x4壁式」のWRCの計算は「壁麻呂」である。
壁式構造は立体解析ではなく、平均せん断力法のほうが分かりやすいので好きだ。
とは言うものの、WRC単独の場合は、構造システムの「HOUSE-WL」を使うこともある。

混構造は「2x4壁式」で一気に計算するので、1階の階高は1階のRCスラブ天端から2階の合板上端までの高さとし、2階の梁の下がり距離で調整する。最初は1階のRCスラブ天端から2階のRCスラブ天端までの高さを階高としたが、2階の2x4工法の階高が実際の高さと異なってしまう。WRCの階高はそれでよいが、2階の階高が合わない。
建物全体の連続性を考えると、RCスラブ天端から合板上端を階高とすることが妥当である。荷重拾いは、2階の合板上端までをWRCとしているので、荷重を過小に拾うことはない。


posted by TASS設計室 at 03:37| コンピュータ

2022年08月25日

伝言だけの仕事

中間の人が内容を理解せず、伝言だけで仕事をしている。
全容を見ず、言われたことだけをやっている。関係者の顔ぶれを見たいものだ。
そんな仕事は安請け合いできない。
メーカーや役所が絡むが、直接話していないので先が見えない。
posted by TASS設計室 at 19:20| 閑話休題

営業力と技術力

営業力と技術力は会社をけん引する両輪である。
営業が強くても技術が弱いと伸び悩む。両方を兼ね備える人は会社に勤めることは珍しいので、それぞれの人材が必要になる。
建設業は技術屋が営業に出ることが効果的なので、スーパーゼネコンでは定年間際の技術職が営業に異動する。若いうちに意匠設計から営業に異動した人を知っているが、仕事のできない人だった。降格だね。
構造設計から現場に異動した人もいる。本人は、不勉強だったと言っていた。でも作業所長になった。
うちの事務所に来る杭・地盤・鉄骨系のサブコンの営業担当は、工学博士、技術士などの肩書を持つ人がいる。構造系のサブコンなら、技術を持たないと商売にならない。技術を持たない場合は材料商社という。
posted by TASS設計室 at 14:47| 閑話休題

はじめての「2x4壁式」

「はじめての2x4壁式」という本を書いてみたらどうか考えている。
昔、「はじめてのMS-DOS」という本があった。「傾向と対策」というのも良さそうだ。
構想は頭の中にあり、メモをノートに書き始めたが、そこで止まっている。
「2x4壁式」を使いながら、2x4工法の構造計算を理解するというものである。
2x4工法の構造計算というよりも、ほとんどの部分は全ての構造形式に共通である。
対象としては、kizukuri-2x4で2x4工法の構造計算を行い、「2x4壁式」を買ったが使えない人をイメージしている。中には構造設計一級建築士の資格を取った人もいるが、木造しか設計していない人もいる。
2x4建築協会に集まってくるような人が思い浮かぶ。
東京デンコーは、RC/SRC/S/WRCの構造計算プログラムから始まった会社であり、木造専業の構造設計者のレベルに合ったマニュアルを作成していない。普通に書かれているが、一般の構造計算プログラムに慣れていないと、読んでも理解できないところがあると思う。その差を埋めるようなマニュアルで、勉強しながら「2x4壁式」を使うという発想である。
気楽に書きっぱなしの本にするつもりでいる。質問がくると煩わしいので無料で宣伝用にPDFで配布する。

「パソコンマニアは冬眠しよう」という本もあった。その時代のパソコンマニアは永眠している。
PCの泰明期は、建築構造そっちのけで、そのような本を読んでいた。
posted by TASS設計室 at 09:18| 2x4工法

鉄骨造の鉛直ブレース

鉄骨造の鉛直ブレース(引張ブレース)を、枠付きブレースで設計してみる。
変形性能が高いので、Ds(構造特性係数)を小さくすることができる。
大地震で変形したら、それだけ交換する。電気のヒューズのようなものだ。こんな考えはないだろうか。

posted by TASS設計室 at 00:58| 構造設計

Super Build FEM

Super Build FEM は楽しめるプログラムである。
ちょうど今、計算している変形したスラブの計算に使ってみることにする。
東洋一著の平板構造の図表で計算してもよいが、道具があるのだから使うことにする。
最もよく使うプログラムはBUS-6だが、たまにSS3も使わないと、使い方を忘れてしまう。

posted by TASS設計室 at 00:24| コンピュータ

2022年08月24日

木造4階はあきらめてください

小規模な木造4階はあきらめてください。
800〜1,000uくらいあればよいが、少なくとも300uは必要だ。
敷地が狭いので4階建てにしたいなら、鉄骨造にすることを考える。
どうしても4階にしたいなら、3階建てに小屋裏を加える程度で我慢してもらう。
それなら設計できるでしょ。
posted by TASS設計室 at 19:48| 木造の構造計算

2x4工法の構造計算プログラム

2x4工法の構造計算プログラムは次の2本が使われている。
・ kizukuri-2x4(圧倒的多数)
・ 2x4壁式(使えない人が多数)
何が出来て、何が出来ないか。
@平面的な斜め軸
A床や屋根の傾斜
B壁倍率によらない計算
C床構面
D頭つなぎ
E保有水平耐力計算
F一貫計算と連動した基礎の計算
G杭基礎の計算
Hタイロッドの計算
Iアンカーボルトの計算
J混構造の計算(WRC)
K床の上に耐力壁を載せるるとメッセージが出る

posted by TASS設計室 at 17:23| 2x4工法

タイロッドの緩み止め

タイロッドの緩み止めが付いているが、役に立っているだろうか。
スタッドの軸方向の収縮は少なく、側根太の乾燥収縮で床が下がるなら、側根太を集成材にするとか、その部分に鉄骨を挟んで沈下量を少なくすることはできる。程度問題だが、どこまで収縮による沈下を許容するかである。
大きな圧縮力が作用するから下がるのであり、床根太だけなら気にならないのではないか。
耐力壁直下の側根太を鉄骨のC形鋼 C-250x90x9x13 とし、緩み止めを入れずにPC鋼棒を挿入するという手もある。2x4工法に限らないが、木造は鉄骨と組合わせることで規模の拡大が可能になる。



posted by TASS設計室 at 11:03| 木造の構造計算

2022年08月23日

木造専業の構造設計事務所

木造専業の構造設計事務所があるが、軸組工法と2x4工法の両方を設計するところは少なく、どちらかに特化している。どちらも木造ではないか。
構造図だけを作成する事務所があり、そのような事務所が関与する場合は構造図を先に作成してもらうと計算しやすい。構造計算だけを依頼されることもあるが、構造図作成段階で質問が多く、対応が面倒なので、構造図を先に作成してもらうか引き受けないことにしている。

混構造になると、RC/WRC/S造が苦手な木造専業の構造設計者は手を出さない。あるいは下部構造だけを当方に依頼されることがあるが、結局全体の構造設計を行うことになる。荷重の受け渡しのデータで苦労するようで、こちらとしては丸ごと計算するほうが分かりやすい。
混構造の場合は、構造詳細図を先に作成して全体を見渡すことが必要だ。RC壁のフカシ寸法やアンカーボルトの納まりを先に決める。

複雑なデザインのプレカット図のチェックを依頼されることがあるが、墨出しができる大工に加工を依頼するようコメントを加えることがある。色鉛筆で色分けして表現すると分かりやすい。混乱している人は横着しないことである。

アンカーボルトをスラブに定着することがあるので、アンカーボルトを曲げてスラブ内に定着することを理解させるための図面も作成する。
アンカーボルトは曲げてはいけないと思っているのか、曲げるのが面倒なのか知らないが、鉄筋とアンカーボルトについて理解してもらうための図面が必要である。曲げを受ける場合は必要定着長さの2分の1は真っ直ぐ突っ込むほうがよいが、せん断力のみを受ける場合は、スラブ内定着で差し支えない。心配ならコーン破壊の検討を行う。


posted by TASS設計室 at 23:54| 木造の構造計算

「2x4壁式3」を使いこなす

「2x4壁式3」を使いこなし、保有水平耐力計算と基礎の計算ができると設計の範囲が広がる。なぜ、4階建ての計算ができないか。
@耐力壁は倍率で計算するものと思っている
A保有水平耐力計算を理解していない
B構造設計一級建築士の資格を持っていない
C構造設計一級建築士の資格を取っただけ
D審査機関や適合性判定機関との質疑応答に自信がない
E「2x4壁式」を持っていない http://www.denco.co.jp/
F「2x4壁式」を持っているが使えない
F構造計算プログラムで計算できないところを手計算で補足することができない
G基礎や杭の計算ができない
H計算とディテールの関連付けができない
I計算式を理解していない
こんなところだろうか。いくつ該当しますか。・・・・・・・8つですか。
※ 木造以外で RC/SRC/S/WRCの設計および耐震診断を行っている人なら、保有水平耐力計算は当たり前のようにできる。

posted by TASS設計室 at 19:28| 2x4工法

現場の担当者にも分かる図面

大現場には構造設計者が常駐し、あるいは週に2日ほど現場の設計室で施工図のチェックや疑問質問に答えている。躯体工事の段階では、設備との調整が重要だ。
現場の担当者は知識の絶対量、読み取ることができる情報の絶対量が違うからやむを得ないことだが、現場の施工図担当は、構造図と構造計算書を見て判断できるくらいの技量が必要だ。
現場監督の机の横に建築学会の規準が並び、ジョブローテーションで構造設計課から現場に配属された人がいると安心だ。僕が駆け出しの頃は現場の設計室に通っていた。週に2〜3日現場の設計室に通い、調整作業を行っていたこともある。机上の設計だけではなく、構造設計と現場が一致する。

住宅産業の設計者から基礎の鉄筋について質問があり、電話で説明していたのだが、相手の反応がイマイチだった。『現場で鉄筋を組んだものを見たことがありますか』と聞いたところ、彼は『ありません』と正直に答えた。
そんなことがあったので、僕が講習会の講師をやっていた時、現場で鉄筋を組んだところを見せながら、基礎の設計の講習を行うことを提案したところ、『そんなことをやって、現場で怪我でもされたら誰が責任を取るのか』と言われ、此奴らと話しても無駄だと思った。住宅産業は、こんなものだと再認識した。
僕が学生の頃『ハウスメーカーは建築屋ではない』と言っていた。
posted by TASS設計室 at 11:15| 構造設計