2022年06月13日

鉄骨造のルート1の計算は、標準せん断力係数0.3

鉄骨造のルート1の計算は、標準せん断力係数0.3で計算している。
つまり、標準の1.5倍の地震力で計算している。簡単だけど、無駄な計算と思いませんか。
ブレース構造でルート2ならβ割増し1.5を考慮するから同じことになるが、ラーメンでも水平力を1.5倍にしている。
これを承知しているなら、ラーメン構造ならルート3でしょう。
ルート1の条件に合うからと言って、ルート1で計算することはない。
posted by TASS設計室 at 14:12| 構造設計

2x4工法6階建て

木造の評定の準備を行っており、関連する資料を検索していた。
2x4工法は、高さ方向に沈み込むので、タイロッドの増し締めを行うが、そこまで考える必要があるか考えていた。事務所ビルのように、中央のコアに耐震要素を固め、外周はカーテンウォールという設計もある。
中層の木造は、これではないだろうか。
そこで階高方向の縮みが、どこまで影響するか見極めたい。

ダンパーに関して、剛性の低い木造建築でダンパーの効果は、どれほどのものだろう。3%程度と聞いているが、その程度では実感として分からない。保有水平耐力の余裕分くらいのものだ。

https://www.bcj.or.jp/db/gene/matter1/page/2/?m1cat=29

https://www.cofi.or.jp/sites/default/files/market-access/files/tubaihuogong_fa_niyoruzhong_ceng_jian_zhu_wu_woke_neng_nisurugou_zao_sisutemuniguan_surukao_cha_.pdf
posted by TASS設計室 at 09:42| 2x4工法

2022年06月12日

鉄骨造4階と木造4階、どちらが自由度が高いか

鉄骨造4階と木造4階、どちらが自由度が高い設計が可能か。
平面的に斜め軸が有ったり、吹抜があり建物が2分されることもある。
外部鉄骨階段が付く場合もある。
狭小地の4階建ては、塔状比が4を超えることや、浮上りが生ずることもある。
僕は木造の塔状比は2.5を限界と考えている。建物の重心位置での塔状比である。
短辺方向のスパン 4.55mで高さ11.375mである。ここで言う高さは一次固有周期計算用の高さである。
剛床が成り立たない場合は、独立水平変位を設定して計算する。こんな時S造は柔軟に計算できる。
軸組工法4階建てを好んで設計する人がいるが、条件によってはルート2で計算できるという利点がある。
軽量鉄骨造が比較に出てくるが、鉛直ブレースの配置が適切で、1階から3階まで柱を通すことができ、鉄骨建て方が一気に3階まで可能なら軽量鉄骨造もよい。丘立ちの柱が少ないことが条件となる。2階建てなら柱通しにすることが定石だ。基礎は布基礎で、部分的な浮上りを許容する。
@2x4工法【ルート3】
A軸組工法【ルート2またはルート3】
B軽量鉄骨造(建て方を考えると3階建てまでが妥当)【ルート1】
C鉄骨造【ルート3】
D壁式鉄筋コンクリート(WRC)造【ルート1】
E混構造(1階WRC、2〜4階2x4工法)【ルート3】
posted by TASS設計室 at 19:40| 構造設計

2022年06月11日

小規模鉄骨造はルート3に限る

小規模鉄骨造はルート3で計算するに限る。
構造設計一級建築士の関与が必要だが、構造設計一級建築士の資格を持たなくても、誰かにハンコを押してもらえば済むことである。木造専業でRC造やS造の保有水平耐力計算に慣れていない人でも、構造設計一級建築士の試験に合格している。
二次部材の計算書や図面は作成することができるだろうから、架構の計算のうち、保有水平耐力計算の部分だけをチェックしてもらえば済むのではないか。審査機関や適判からの質疑応答も含み、出来る人に頼めば済む。
保有水平耐力が出ないという相談を受けるが、基礎梁の終局耐力が不足し、基礎梁にヒンジができていることが殆どであった。
posted by TASS設計室 at 10:44| 構造設計

1件1葉

一品一葉図面とは、ひとつの部品または組立て品の図面を作成するときに、1枚の製図用紙に描き切った図面のことをいうが、図面以外でも1件1葉の表現にしてファイリングしていたことを想い出した。
大きな現場で複数の人が資料を参照する際に便利だった。
未解決の疑問点は、関連資料を加え、こんな方法でファイリングする。
「建築構造問題快答集」もそのようなものを集めたものである。
posted by TASS設計室 at 10:20| 構造設計

木造4階が普及しない理由

木造4階が普及しない理由は、意匠設計者が設計しているからである。
構造設計者が法規に強くなり、基本計画を行うほうが効率の良い計画ができる。
多くの木造専業の設計者は、2階建てかせいぜい3階建ての設計を行っており、中層建築の設計の経験がない。
基本計画の図面で、木造3階建てを、そのまま4階にした図面が送られてくる。
杭基礎になると、全く手が出ない。杭頭モーメントを基礎梁で処理する支持杭のことである。
杭と言えば地盤改良と思っている人がいる。見たことがなければ設計できない。
混構造を含み、5階建てまでの設計を経験すると応用範囲が広くなる。斜面地の建物は必然的に最下層がRC造あるいはWRC造となる。
建設コストを考えると、上部の木造は2x4工法になり、下部は大きなピロティがない限りWRC造がバランスがよい。
ピロティがあっても、ピロティの外側に耐震壁が配置できればWRC造も可能になる。
posted by TASS設計室 at 09:23| 木造の構造計算

2022年06月10日

告示1540号の拡大解釈

告示1540号の拡大解釈を書面にしている。
書いてみると、拡大解釈の余地があることが分かる。極論すると2x4工法の規格の木材を使い、合板を釘で打てば2x4工法になる。建築学会の木構造設計規準に適合しないところがあるので、強引にでも告示1540号に適合させる。
許容応力度計算に加え保有水平耐力計算を行う。
どのプログラムを使うか試算して比較しているが、最終的にはエクセルでまとめることになりそうだ。
posted by TASS設計室 at 21:49| 2x4工法

2022年06月09日

特定緩勾配屋根

特定緩勾配屋根
・多雪区域以外の区域にある建築物(垂直積雪量が15cm以上の区域に限る)
・以下の屋根を有する建築物
・大スパン(棟から軒までの長さが10m以上)
・緩勾配(15度以下)
・屋根重量が軽い(屋根版が鉄筋コンクリート造又は鉄骨鉄筋コンクリート造でないもの)
うっかりすると、チェック漏れになる。
気にしていなかったが、木造の構造計算プログラムで対応していたか確認する。
posted by TASS設計室 at 16:38| 構造設計

小梁の逆梁

小梁を逆梁にすると、構造計算の見直しになり、計画変更になると思っている人がいた。
構造計算という言葉は知っているようだが、「何を」「どのように」計算しているか理解できないようだ。
固定荷重にしても、梁がスラブ下に出っ張るか、スラブ上に出っ張るかの違いである。中途半端な逆梁でも同様だ。ここまで思考力が低下しているとは思いもつかなかった。
ラーメン架構での逆梁は剛域が変わる。
posted by TASS設計室 at 11:03| 閑話休題

2022年06月07日

木造のビルに注目している人がいる

木造のビルに注目している人がいる。
木造のほうが安いと思っているようだが、実際はそうでもない。
多くの場合、狭小地の建物で、3階建てでは満足な面積がとれないので4階にするのである。
そこで、木造ラーメンを考える人がいる。
木造住宅専業の設計者に設計を相談するから無理やり木造で設計しようとする。
柔軟に考え、初期段階から鉄骨造を視野に入れて比較するほうが良いのではないか。
posted by TASS設計室 at 23:26| 閑話休題

アウトドア派はドームがお好き

何がいいのか分からないが、アウトドア派はドームが好きだ。
キャンプ場に同じドームを並べ、ドームの建売住宅のようだ。アウトドアの雑誌を見ると、必ずと言ってよいほどドームが載っている。
ドームは屋根として使うのだから、屋根として専門メーカーが設計施工で販売することは考えられないだろうか。
軒の高さまでは、どのような工法で建てても良いものとし、そこにドームを載せる。水平構面による水平力の伝達はドームが行う。
平屋で100u程度なら、こんな方法でもよいのではないか。居住空間は小屋裏利用とみなす。


posted by TASS設計室 at 12:34| 閑話休題

中層木造建築は、なぜ増えないか

木造住宅が総建築戸数の75%で、それを建築士の90%が設計している。
非木造は25%で、それを残り10%の建築士が設計している。だから木造以外の設計を行っている建築士は3倍忙しい。マーケットとして木造は裾野が広い。
混構造になると残り10%の建築士の出番になり、木造専業の人たちには荷が重い。
posted by TASS設計室 at 12:05| 建築士

写真付きの図面

クリニックで薬をもらうと、写真付きの薬の説明書が添付される。
引抜金物や梁受け金物なども写真付きにしなければならない。一度に複数の図面を見せることも避けなければならない。1枚の図面だけで作業できるようにしなければならない。
まさにプラモデルの説明書である。
現場監督の仕事は、送られてきた図面をコピーして職人に渡すことである。カラーの図面を送ったら、分からないと言われたというので、何かと思ったら、モノクロでコピーして渡していた。
これからは「この図面はカラーで印刷すること」と書かなければならない。
posted by TASS設計室 at 09:56| 木造住宅

建築学科の学生は勉強しない

僕が理科大工学部建築学科の学生だった頃、他の学科の学生から『建築学科の学生は、入学した時は成績が良いが、卒業する時は最も馬鹿だ』と言われた。当時は日本列島改造の真っただ中で、建築学科の競争率は高かった。建築学科の学生は設計製図や模型製作は熱心にやるが、構造系の科目を避けていた。選択科目の土質力学は数人しか授業に出ていなかった。
そんな状態だから、地盤調査報告書を見ても分からない建築士が多いのだろう。実務を通して学べばよい。
そこで線引きが行われる。独学できるレベルに達しているか、達していないかである。
卒業後25年経って、日建学院池袋本校で建築構造を受け持ったが、予備校に通って勉強し直すことは時間とカネの無駄ではないかと思った。
posted by TASS設計室 at 09:03| 閑話休題

2022年06月06日

前橋レポート

大阪本町にある東洋医学鍼灸の和鍼治療院の記事を引用させていただいた。

1987年に「学童防波堤論を根底からくつがえす報告書が発表されます。
その正式タイトルは、「ワクチン非接種地域におけるインフルエンザ流行状況」で、「前橋レポート」とも呼ばれています。
この調査は、トヨタ財団の資金援助によって、前橋市医師会を中心に構成された「前橋市インフルエンザ研究班」によって実施されました。

前橋市で調査が行われた理由は、1979年のワクチン接種後、小学5年生の子がけいれんを起こしたからです。
このことを前橋市は重く受け止めて、その年の2回目の接種を中止し、厚生省に、「けいれんの原因がワクチンの副作用ではないか」との申し入れをしました。
これに対する返答は、「予防接種に起因しない」とのものでした。
そのため、前橋市は、市独自での救済措置を行い、小中学校の集団接種を中止し、以降の接種を行わない決断をしました。
そして、予防接種中止の影響を調べる責任を感じた医師会が、インフルエンザ研究班を発足し、前橋市の全市立小学校(生徒数約2万5千人)の出席状況を6年間にわたって調べました。さらに、それらの小学校から5つを選び、約600人の2年生から採血をして、インフルエンザの抗体検査を行いました。
この検査を毎年2回行い、この学年が小学校を卒業するまで追跡調査しました。

こうして、前橋レポートは、インフルエンザワクチンを集団接種しない前橋市と、集団接種をした周辺地域(高崎市・安中市・桐生市・伊勢崎市)におけるインフルエンザの流行状況を、1980年から6年間にわたって比較した、大規模な疫学調査となりました。
その結論は、「ワクチンの接種地域と非接種地域で、インフルエンザの罹患率、超過死亡などの違いは認められない」ということでした。
つまり、ワクチンがインフルエンザの予防になっていないことを明らかにしたのです。

前橋レポートが発表されてから今日まで、この結果をくつがえすような調査報告は、世界中のどこからも発表されていません。
このことは、前橋レポートが現代にも通用する調査報告書であることの証明です。

前橋レポートに関しては、「カンガエルーネット」のホームページ
http://www.kangaeroo.net/
に前文(全文)が公開されています。
ワクチン接種を考えるための参考にしてください。
posted by TASS設計室 at 08:51| 閑話休題

2022年06月04日

木造の設計者に両刀使いが少ないのは何故だろう

木造の設計者は「軸組工法」と「2x4工法」に分かれ、両刀使いが少ないのは何故だろう。
「軸組工法」は「軽量鉄骨ブレース構造」、「2x4工法」は「壁式鉄筋コンクリート造」のようなものだから、構造設計者なら、どちらも応用問題だ。基礎は「鉄筋コンクリート造」である。

「軸組工法」から始めた人は「2x4工法」、「2x4工法」から始めた人は「軸組工法」の設計を行うことだが、意匠設計者も2分されていることは意味が分からない。「軸組工法」の設計者は「2x4工法」が分からないという。どうせ構造はプレカット屋に丸投げで、基礎の設計はやっていないではないか。
4号建築で壁量計算を行うだけなので、両者に大した違いはない。
だから、両刀使いは難しいものではないことが分かる。

posted by TASS設計室 at 21:30| 木造住宅

吹抜で二分される建物

吹抜で二分される建物の補強計画が始まった。
剛床が成り立たない建物には吹抜で左右に分離されたもの、ロの字もあればコの字もある。
今回はコの字で、それが階段・エレベーターを挟んでL型とI型に分かれている。
さて、どう始末するか。
鉄骨造のビルを連結した耐震改修を行った経験があるが、今回は中間階の吹抜に鉄骨で水平ブレースを組むことにする。発注者が構造設計者に依頼したことが正解だ。この他にも意匠設計者を経由しない仕事がある。
posted by TASS設計室 at 18:41| 構造設計

木造軸組工法2階建ての偏心率

木造軸組工法2階建ての偏心率に代わる検討方法として4分割法があるが、変なプランを持ってこられると4分割法が成り立たないことがある。そんな時は偏心率0.3以下であることを確認する。それでもダメなら許容応力度計算を行う。
2階建てでも許容応力度計算を行う場合は、壁倍率の上限を7倍にすることができるので、偏心率が若干有利になる場合があり、0.3以下になることがある。
この偏心率は努力目標程度のもので、ねじれ補正を行っているのだから、ギリギリでも差し支えない。

posted by TASS設計室 at 10:45| 木造の構造計算

定性的に理解して略算でチェックする

構造審査係りは、定性的に理解して略算でチェックする。
判定員の試験のようだが、これができないと審査係りは失格である。
1対1で照合できるような計算書が分かりやすいが、それを見て遡ることができなければ審査係りは無理で、チェックマン程度の補助員である。

下記は「建築構造設計べんりねっと」から拝借した。
https://arc-structure.sakura.ne.jp/report31.htm?fbclid=IwAR0IiGSnBaJ12Tj8cg__ZNv34nzfxMX_XK7iPPhiE9B7nrniZBx23CNHlMs
posted by TASS設計室 at 09:20| 構造設計

4階建て

4階建ての計画は意外と多い。
・RC(ルート1またはルート3)
・S(ルート3)
・WRC(ルート1)
・WRC+2x4工法(ルート3)
・2x4工法(ルート3)
2x4工法で4階建てにする場合、S造と比較することを勧める。
2x4工法が安いと思いこんでいる人がいるが、3階建てまでなら、確かにそのようだ。
規模が小さすぎる場合は鉄骨造にするしかない。
構造計算ルートはルート3が圧倒的に多い。鉄骨造は100%がルート3である。
ルート2は、2x4工法3階建て軒高9mを超える場合くらいである。これはけっこう使える構造計算ルートである。

posted by TASS設計室 at 01:24| 閑話休題