2x4工法の保有耐力計算は、RC造やS造と異なり、かなり簡略化されている。
耐力壁を上下に連続させるので、タイロッドやホールダウン金物、端部タテ枠の軸耐力やめり込みなど、壁端部の接合部の耐力で決まる。崩壊形やヒンジなどを考えるところがない。
基礎梁を十分強固なものにすることで、壁脚部の終局曲げモーメントより基礎梁を強くするだけで良い。
タイロッドのアンカーは、コーン破壊の検討を行うが、基礎梁をダブル配筋にすれば十分な耐力が得られる。
4階建ての意匠図で、基礎梁の幅を150mmにしたものを見かけるが、かぶり厚とアンカーボルトの定着を考え、梁幅は250mmにすべきだ。基礎梁の幅をケチって、鉄筋の納まりを悪くすることはない。鉄筋の上下関係も考慮する。X方向の梁の下端筋のかぶり厚さを60mmにしたら、Y方向は80mmにする。そうしないと、同じ高さは鉄筋の交差部分でぶつかってしまう。上端筋についても同様だ。
2x4壁式は、方向別にかぶり厚さを設定することができるので、スパンの大きな針があるほうのかぶる厚さを小さいほうとする。
塔状比が4を超えたら割り切って鉄骨造にするほうが無難だ。短辺方向4mで限界高さが16mと思えばよいが、それもどうかと思う。僕は木造の塔状比は2.5までとしている。4階建ての短辺方向は 4.55mが下限値である。
4.55x2.5=11.375m 何とか4階建てになる。塔屋を付ける際は、試算の時にチェックする。
基礎の浮上りが出たら、杭の引抜耐力で抵抗する。引抜に対して比較的大きな抵抗力が得られるのは e-Pile なので、このような時は e-Pile を採用する。
2x4工法で無理して4階にするより、鉄骨造にするほうが安心である。
2x4工法4階建ての競争相手は鉄骨造である。鉄骨造の柱サイズは200角で可能で、175角でも可能だが、コストを考えると200角が有利である。
2022年05月22日
2x4工法の保有耐力計算
posted by TASS設計室 at 20:44| 2x4工法