2022年04月16日

構造図は施工図

小規模なRC造の場合、施工会社がコンクリート施工図を作成することができないところがあるので、構造図の作成段階から施工図にしてしまった。
施工図レベルで書き込むと、余計なものまで審査の対象になることを嫌がる構造審査係りもいるが、二度手間を省く意味がある。意匠設計者に見よう見まねでコンクリート施工図を描かれるよりマシだと思う。
型枠・鉄筋の打合せに参加したこともある。現場監督よりも型枠・鉄筋の職長のほうが話しが分かる。

こんなことになるのは現場監督が鉄筋コンクリート造に慣れていないことが原因だが、鉄骨造の場合は、鉄骨が工場から現場に運ばれてくるまで待つだけの現場監督も少なくない。
プレファブ建築以外でも、建築のプラモデル化が進んでいる。
posted by TASS設計室 at 08:47| 構造設計

2022年04月14日

杭基礎

杭と基礎梁まで一貫計算で通せる構造なら、杭の計算と杭頭モーメントを基礎梁に曲げ戻す計算までシームレスに連動するが、上部構造が壁式鉄筋コンクリート造や木造の場合で支持杭を採用する場合、BUS基礎と連動するように計算できないだろうか。
上部構造が木造で、最下部がラーメン構造のとき、上部構造の軸力を受ける位置に梁を設け、梁に対する特殊荷重として上部構造の地震時の荷重を入力したことがある。基礎梁だけの場合にも使えそうだ。
鉄骨メーカーが上部構造を計算した建物の基礎をエクセルで計算したことがあるが、結構手間がかかった。
その時に使ったエクセルのシートを再利用すると、次回は少し進歩する。

木造4階建てで杭基礎を採用する場合、上部構造の計算を受けて、杭と基礎梁の計算ができると効率的だ。
どの会社のプログラムも、木造や壁式構造で杭基礎を採用する場合の計算がイマイチである。
木造あるいは混構造の4階あるいは5階建ての場合、狭小地に建てることがあり、引抜力に有効な杭を採用することがある。ニッチなプログラムを開発する会社はないだろうか。
posted by TASS設計室 at 21:14| 構造設計

2022年04月13日

手摺の水平力に対する検討(修正)

2015年02月14日に「手摺の水平力に対する検討」として書いたが、現在は120kg以上とすることが一般的である。
閲覧された記録があったので訂正する。
2人で手摺に寄りかかって夜景を見ていて、落ちないようにするというイメージだ。
デブが2人の場合は、それなりに荷重を割り増す。
手摺を設計する場合、単位長さに対して 120kg(修正前は65kg) の水平力を作用させ、長期許容応力度以内としていたが、短期許容応力度以内でも良いだろう。
RCの手摺ならシングル配筋でも十分な強度がある。
アルミやスチールの手摺の場合は、脚部の納まりが重要で、差し込む支柱の内側および外側に鉄筋(D10)を通す幅が必要になる。立上りの幅は、かぶり厚さ、仕上げのフカシも含めると 200〜220くらいは必要になる。
posted by TASS設計室 at 10:55| 構造設計

2022年04月12日

非住宅木造が助成対象

事務所や店舗の計画なら適用できる。
しかし、こんな助成がなくても、鉄骨造と比較してメリットがあれば木造は普及する。
設計者や施工者の技量を考えれば、耐火構造ではない3階建てまでだ。
無理して耐火構造や4階建て以上に手を出すこともない。RC造・WRC造・S造にすることだ。
耐震壁付きラーメンや壁式鉄筋コンクリート造ならルート1の計算が可能なので、木造専業の設計者が行う次の構造形式に適している。
RC造・WRC造なら鉄骨造ほどディテールは複雑ではない。

【補助金情報】令和4年度JAS構造材個別実証支援事業
本年度もJAS構造材個別実証支援事業助成金の公募が開始されました
一次募集:4月11日(月)より
【POINT】
構造部材に指定されたJAS構造材を利用した非住宅木造が助成対象
JAS構造材の使用量(m3)×66,000円の助成額
助成上限額は1,500万円または3,000万円
※諸条件あり
上限額は床面積や階数による
長屋・共同住宅は1事業者当たり5件まで
【申請スケジュール】
事業申請締切:2022年5月25日(木)17時必着
交付申請締切:2022年9月30日(金)19時必着
※予算に達し次第締め切り
posted by TASS設計室 at 08:15| 日記

2022年04月11日

質疑で能力が分かる

現場からの質疑で担当者の能力が分かる。
無理してディテールを工夫せず、彼らが経験したことの繰り返しが無難である。
考えて質問してくるのだろうか。答えることが馬鹿らしくなる。
1つ言えることは、基礎となる構造力学を理解している人は、くだらない質問をしてこないものだ。
posted by TASS設計室 at 16:17| 木造住宅

2022年04月09日

2x4工法5階建て混構造(1)

2x4工法5階建て混構造(1)
2x4壁式3による構造計算要領について書き始める。
気まぐれに書くので、2回目はいつになるか分からない。
モデルとしては、1階WRC造、2〜5階2x4工法の耐火構造の共同住宅とする。
木造で2時間耐火も可能だが、1時間耐火までが妥当と考える。
外部に鉄骨階段を付けるが、鉄骨階段に作用する水平力は建物本体が負担する。
基礎は杭基礎とし、スクリューパール(e-Pile)を用いる。
タイロッドはPC鋼棒と座金方式とするが、なるべくタイロッドを用いない設計とする。
下枠のめり込みに対しては、D.Firで対応するが、更に効果的な方法を採用する。軸組工法の柱に用いるめり込み防止プレートの考え方を準用する。めり込みに関しては悩むところだ。
杭基礎は支持杭とするため、杭頭モーメントは基礎梁に曲げ戻しを行う。この計算は2x4壁式3ではできないので、エクセルで行う。2x4壁式基礎に追加してもらいたい機能の1つである。
ミッドプライウォールを使うよりも、両面合板の耐力壁にするほうが一般的であるため、ミッドプライウォールは採用しない。
この程度の計算ができれば、5階建て木造の計算が可能になる。
posted by TASS設計室 at 11:41| 2x4工法

2x4工法4階を設計する前に

2x4工法4階を設計する前に

木造4階の相談を受けるが、構造設計の協力事務所の様子を伺うと、木造専業の人しかいない会社が殆どである。社内に構造設計などの技術部門を持たず、見積り部門だけで受注している。

鉄鋼メーカーが鉄骨架構を設計施工で工事を受注するように、木材の資材メーカーも構造体を設計施工で受注する。
2x4工法の4階建ての構造設計のできない意匠設計事務所や施工会社が主要な客だが、4階建て、あるいは5階建ての受注に力を入れたいのなら体制を整えることだ。
2x4工法に詳しい担当者はいるというが、アーキトレンドで構造図を作成し、kizukuri-2x4が分かる程度である。

そこまで話しを聞いて、こりゃダメだと思い、鉄筋コンクリート造と鉄骨造の構造設計の出来る人を集めるよう言った。
相手は疑問に思ったようだが、建築の基本は鉄筋コンクリート造と鉄骨造であり、それらの中に多くの知見が含まれることを説明した。
2x4工法の4階以上になると、1〜2階を鉄筋コンクリート造にすることや、外部鉄骨階段を付けることもある。それらをまとめて設計するのだから、木造しか知らない人には無理である。
2x4工法は4階建てになると急に難しくなる。構造計算ルートはルート3になり、保有水平耐力計算を行うことになる。
木造4階建てになると軸組工法に誘導する構造設計者がいるのは、軸組工法はルート2で設計できるからだろう。
2x4工法でも、3階建てで軒高9mを超える場合は、ルート2の設計も有り得る。確認申請はルート2の審査ができる審査機関に提出すれば、適判を避けることができる。店舗や事務所など、階高を高くする場合は、こんな方法がある。

社内に2x4壁式を2〜3本購入し、構造図を作成している人が使えるようになると良いのではないかと話した。壁式CADと併せ、自動作図を行うと、計画段階の積算に有効である。kizukuri-2x4以上2x4壁式未満の担当者には教育が必要になる。自分で勉強する人は少ない。

2x4工法が苦手、2x4工法の耐火構造や4階建て以上に手が出ない会社は多数あり、その市場を掘り起こすことができる。
客先となる意匠設計事務所と話しができ、施工を受注するのだから、見積りを行うにしても、設計のことが分からなくては話しができない。
多くの仕事は、施工図を受け取って木拾いすることだから、その段階の人では4階建ての見積りは無理に違いない。タイダウンを理解していないと見積りも難しい。
4階建てでも、木造2階建ての基礎しかイメージできないようで、アンカーボルトのコーン破壊も意識されていない。

2x4壁式で、e-PileやEAZETなどのスクリューパイルを使うことがあるので、杭頭モーメントを基礎梁に曲げ戻す計算がコンピュータで出来たらよい。杭基礎の際の基礎梁の計算ができる人は、木造専業の構造設計者にはいないだろう。杭と言えば地盤改良の杭と思っている人が大半である。

posted by TASS設計室 at 09:32| 2x4工法

2x4工法4階建て、5階建て

2x4工法の4階建ての相談をいただくが、木造専業の構造設計者には構造設計は無理である。
計画図を拝見すると、3階建ての延長線上で、4階を載せた図面が出てくる。その程度の図面しか描けない人に4階建ては無理である。意匠設計者と言えども、構造計画は理解されたい。
断面図を見ると、3階建てと同じ基礎梁が描かれている。

1〜2階を壁式鉄筋コンクリート造(WRC造)、3〜6階を2x4工法という相談も受けるが、壁式鉄筋コンクリート造は5階建てまでのため、壁式鉄筋コンクリート造を併用する場合は全階数が5階になる。1〜2階をRCラーメンにすれば実現できる。しかし、こんなことをやるなら、全階をRC造またはS造にすることだ。木造や軽量鉄骨造は躯体工事費が安いと思うようだが、それは3階建てまでの話しである。

鉄骨の材料費が高騰していることと、中高層の木造が推奨されていることから木造4〜7階建てが注目されているが、やめておくほうがよい。木造住宅専業の設計者には無理である。
その前に、2x4工法の4階建ての設計を習得することだ。
利用価値の高い構造計画は、1階をWRC造とし、2〜4階を2x4工法とする混構造である。敷地に高低差のある場合は特に適した構造計画である。
posted by TASS設計室 at 09:18| 木造の構造計算

現用の構造計算プログラム 2022年4月

現用の構造計算プログラム 2022年4月
■ 一貫計算
(01) BUS-6【RC/SRC/S 一貫計算】(構造システム)
(02) BUS-基礎【同上 基礎・杭の計算、液状化の検討】(構造システム)
(03) HOUSE-WL【WRC 一貫計算、保有水平耐力含まず】(構造システム)
(04) 壁麻呂【平均せん断力法による応力計算】(東京デンコー)
(05) NBUS7【BUS-6の後継プログラム】(構造システム)
(06) SS-3(ユニオンシステム)
(07) BF-1【同上 基礎・杭の計算】(ユニオンシステム)
■ 耐震診断
(08) DOC-RC/SRC【RC/SRC 耐震診断】(構造システム)
(09) DOC-S【S 耐震診断】(構造システム)
(10) DOC-3次診断(構造システム)
(11) 壁式診断【WRC 耐震診断】(東京デンコー)
■応力解析、振動解析
(12) DAP【質点系地震応答解析】(構造システム)
(13) FAP-3【任意形状立体骨組応力解析】(構造システム)
(14) SuperBuild FEM【FEM解析】(ユニオンシステム)
(15) SPACE(フリーソフト、研究用)(名城大学村田研究室)http://wwwra.meijo-u.ac.jp/labs/ra007/space/index.htm
(16) midas iGen
■ 二次部材、断面計算
(17) MED-3【RC/SRC/S造および木造の断面計算】(構造システム)
(18) KT-SUB【RC・S 二次部材、梁の横補剛の計算】(構造システム)
(19) 木造トラスの計算(東京デンコー)
■ 木造
(20) HOUSE-ST1【木造軸組工法】(構造システム)
(21) 2X4壁式3【2X4 一貫計算、保有水平耐力、基礎】(東京デンコー)
(22) HOUSE-DOC【木造 耐震診断】(構造システム)
■ 地盤、擁壁、その他(EXCELのシェアウェア)
(23) 擁壁の構造計算(横浜市型)
(24) 小規模建築用地耐力および液状化の検討
(25) 梁のスリーブ開口補強の計算
※ kizukuri、kizukuri-2x4、kizukuri-steel は使用中止。
posted by TASS設計室 at 09:02| コンピュータ

現用の構造計算プログラム 2022年4月

現用の構造計算プログラム 2022年4月
■ 一貫計算
(01) BUS-6【RC/SRC/S 一貫計算】(構造システム)
(02) BUS-基礎【同上 基礎・杭の計算、液状化の検討】(構造システム)
(03) HOUSE-WL【WRC 一貫計算、保有水平耐力含まず】(構造システム)
(04) 壁麻呂【平均せん断力法による応力計算】(東京デンコー)
(05) NBUS7【BUS-6の後継プログラム】(構造システム)
(06) SS-3(ユニオンシステム)
■ 耐震診断
(07) DOC-RC/SRC【RC/SRC 耐震診断】(構造システム)
(08) DOC-S【S 耐震診断】(構造システム)
(09) DOC-3次診断(構造システム)
(10) 壁式診断【WRC 耐震診断】(東京デンコー)
■応力解析、振動解析
(11) DAP【質点系地震応答解析】(構造システム)
(12) FAP-3【任意形状立体骨組応力解析】(構造システム)
(13) SuperBuild FEM【FEM解析】(ユニオンシステム)
(14) SPACE(フリーソフト、研究用)(名城大学村田研究室)http://wwwra.meijo-u.ac.jp/labs/ra007/space/index.htm
(15) midas iGen
■ 二次部材、断面計算
(16) MED-3【RC/SRC/S造および木造の断面計算】(構造システム)
(17) KT-SUB【RC・S 二次部材、梁の横補剛の計算】(構造システム)
(18) 木造トラスの計算(東京デンコー)
■ 木造
(19) HOUSE-ST1【木造軸組工法】(構造システム)
(20) 2X4壁式3【2X4 一貫計算、保有水平耐力、基礎】(東京デンコー)
(21) HOUSE-DOC【木造 耐震診断】(構造システム)
■ 地盤、擁壁、その他(EXCELのシェアウェア)
(22) 擁壁の構造計算(横浜市型)
(23) 小規模建築用地耐力および液状化の検討
(24) 梁のスリーブ開口補強の計算
※ kizukuri、kizukuri-2x4は使用中止。

posted by TASS設計室 at 09:01| コンピュータ